あまいゆびさき

book161018

10月も半ばを過ぎたというのに家の中では半袖&リラコという夏と変わらないスタイルでゴロゴロしている。しかもここ数日は蒸し暑くてエアコンまでつけている。一体いつになったら涼しくなるのか。

宮木あや子の『あまいゆびさき』(ハヤカワ文庫)を読んだ。

幼稚園の頃に出会った二人の少女がシロツメクサの咲く空き地で花冠を作って遊ぶというと、微笑ましく美しい光景を思い浮かべる。しかし、それだけではなく真淳と照乃はその空き地でひとかけらのチョコレートを二人で分け合った。互いの舌と舌を絡めて。

宮木さんの『雨の塔』を読んで、この人の書く百合小説ならと思い、この『あまいゆびさき』が文庫化されるのを待ち望んでいたのだけど、『雨の塔』ではオブラートに包んだような表現だったのが『あまいゆびさき』ではかなりストレートに描かれていて、ちょっと驚いた。これは『あまいゆびさき』が元々は百合姫ノベルとして書かれたからなのかもしれない。

真淳と照乃はそれぞれに辛い境遇で育っており、特に前半は読んでいて気が重くなる場面が多かった。あまい百合小説を期待して読み始めたのでなかなか辛かったが、離ればなれになった二人が高校生になって再会した辺りから俄然面白くなってページを捲る手が止まらず、明け方まで一気読みしてしまった。

額に、頬に、頤に、くちづけの雨が降る。その雨は甘くて温かくて、果てしなく優しい。雨音の向こうに、女たちは思いを馳せる。

バッドエンドではなくハッピーエンドでよかった。おかげで読み終えた後ぐっすりと眠れた。

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