雨音をBGMに

rain150611

昨夜は激しい雨が降った。その大きな雨音のせいか、なかなか寝付けなかったので本を読むことにした。

読んだのは、佐藤正午の『きみは誤解している』(小学館文庫)の最初に収録されている表題作『きみは誤解している』。

小遣い程度に競輪の車券を買うのを楽しんでいた主人公のJR職員が、どんどん深みに嵌まっていく。そんな話なのだけれど、たまに小遣いで競馬を楽しむ身としては、これがどうしてなかなか恐ろしかった。深夜に雨音をBGMにして読んだせいもあったのか、まるでホラー小説かのようにゾクッとくるものがあった。他の収録作品も楽しみだ。

それにしても、佐藤正午の小説に出て来る男はどうしてこんなにも嫌な、というか、嫌らしい男ばかりなのだろうか。いつもイライラさせられる。『きみは誤解している』の主人公もそう。まあ、それでもまた読もうと思えるのだから、私に合っているのだろうけど。

目黒考二の『笹塚日記 親子丼篇』をちまちまと読んでいるのだけれど、後半にきて目黒さんが自炊に目覚めてあれこれ食材を買い込んで料理し始めたのが面白い。頭の中が献立でいっぱいになっている様子はまるで主婦のようだ。私も新米主婦の頃はそうだった。今では手抜きを覚えたお気楽主婦になったけど。

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