ガーデン・ロスト

book170526

甘ったるいパンが食べたいと思ってパン屋に行ったのだけれど、目の前で出来立ての焼きそばパンを並べるのを見たら、つい手が、いや、トングが伸びてしまった。甘いのはまた今度にすることにした。お昼に食べた焼きそばパンは、ちゃんと端っこまで焼きそばが詰まっていて、とても美味しかった。

紅玉いづきの『ガーデン・ロスト』(メディアワークス文庫)を読んだ。

主な登場人物は、エカ、マル、オズ、シバの4人の女子高生。高校3年の1年間がそれぞれの視点から描かれている。エカの視点から描く第一章は春。以下、マルは夏、オズは秋、そして、シバは冬。

マルがエカを「エカち」、シバを「シバち」などと呼ぶのにまずちょっとうんざりして、この本を選んだのは失敗だったかもと思い始めたのだけれど、いやいやどうしてこれが面白かった。タイトルにもなっているシバの視点で描かれる第四章「ガーデン・ロスト」は、それまでとは空気が一変するくらいどんよりと重苦しい雰囲気が漂うのだけれど、読後感は悪くない。

百合っぽいとか、そうじゃないとかいうので、とりあえず読んでみることにしたのだけれど、これは、私にとっては百合でした。ただし、恋ではなく、濃い友情。特にエカとマル。

私はマルの部屋に戻り、肩に頭を預けてくるマルと手をつなぐ。やわらかで、あたたかな手だった。中指に不細工なペンだこがある、多分たくさんの男の人とつないできた手。

オズがシバの長い髪を見て夢想する、その内容もなかなか。

私はその髪の、乾いたやわらかさについて考える。指をからめたときの感触を夢想する。嫌がるシバの頭の動きまで。想像に反して、手を伸ばすことはしない。そんなことをしたらきっと嫌われてしまうから。

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