友人に貸していた藤原伊織の『テロリストのパラソル』

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そろそろ歯医者に行かなくてはと思っていたのに先延ばしにしているうちに夏になってしまった。よりによって待合室が子供達でいっぱいになる夏休みに歯医者に行かなくてもと思ったけれどこれ以上ぐずぐずしていてもしょうがない。読みかけの村上春樹の『村上ラヂオ3』の文庫を持って歯医者へ。予想以上に待たされたおかげで読み終えてしまい手持ち無沙汰になってしまった。

『村上ラヂオ3』に「信号待ちの歯磨き」というエッセイがある。春樹さんは長い信号待ちのあいだに歯磨きをするのだそうだ。歯磨き粉をつけず、水も使わずに。磨き終わった後どうするのかは書いていない。一体どうするんだろう?人生で後悔することがほとんどない春樹さんが後悔しているのが歯磨きのことなのだとか。一度悪くなった歯は元には戻らない。その通りだ。歯医者の待合室で読むのにうってつけのエッセイだった。

 

友人に貸していた藤原伊織の『テロリストのパラソル』が長い時を経てようやく私の元に戻った。他の本は返ってきたのに『テロリストのパラソル』だけが返ってこなくて、いっそ買い直そうかと何度も思ったのだけど、地元に帰って久しぶりに会った時に「そういえば…」と言って返してくれたのだ。貸したことをすっかり忘れていた三島由紀夫の『春の雪』と一緒に。

これで『本棚食堂』で観た『テロリストのパラソル』のホットドッグの件を読み返すことができる。

 

 

私の『テロリストのパラソル』は講談社文庫だけどどうやら絶版らしく、今は文春文庫から出ている。見慣れているせいか講談社文庫のちょっと古臭い表紙が私は好きだ。

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買った本

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柴崎友香『ビリジアン』(河出文庫)、長嶋有『問いのない答え』(文春文庫)、伊坂幸太郎『死神の浮力』(文春文庫)。

今月は好きな作家の作品が一気に文庫化されたのでまとめて(と言っても3冊だけど)買ったのに読書をする時間がなくて積んだままになっていた。

ようやく『問いのない答え』を読み始めたのだけど、長嶋有はやはり良い。

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