伊藤礼『大東京ぐるぐる自転車』わたくしが心地良い

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伊藤礼『大東京ぐるぐる自転車』(ちくま文庫)読了。

ゴロンと寝転んで読み始めたのだけれど、著者の「わたくし」という一人称に思わず背筋をピンと伸ばしそうになった。しかし、読み進めたら確かに文章は丁寧だけど、それが心地良いし、内容は堅苦しくなくユーモアがあって面白かった。それに自転車エッセイだと思って読んだら、本の話も色々と出てきて一粒で二度美味しかった。話がしばしば脱線するのはご愛嬌。

それにしても70歳を過ぎた著者が同年代の自転車仲間と楽しく遠乗りしているのには脱帽した。私とは違う鉄人なのだと思ったが、二十代の青年だった著者は胃腸が弱くて外出時にはいつも公衆便所の存在場所を意識しながら行動していたというエピソードを読んで途端に親近感を覚えた(笑)

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買った本

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連休最後の昨日はリアル書店をうろうろ。新刊文庫の棚にあった益田ミリ『世界は終わらない』(幻冬舎文庫)と、最近のマイブーム、三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』(ちくま文庫)の2冊を購入。

『世界は終わらない』は漫画。書店員が主人公というので気になって、手に取ってパラパラとめくってみたら面白そうだったので買った。漫画を買うのは久しぶり。早速読んだが、予想外に泣いてしまった。3回は泣いた。

しみじみと良い作品だと思って、読後アマゾンのレビューを見てみたら、おやおや評価が低い。読んでみると、低い評価の多くが内容についてではなく、この文庫が改題して出版されたものだと知らずに購入したことに対する意見だった。確かにその旨の記載は帯や裏表紙などにはない。文庫の中に「この作品は二〇一二年七月講談社より刊行された『オレの宇宙はまだまだ遠い』を改題したものです。」とあるので、気付かずに購入してしまった人が多いのかもしれない。

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