『仏果を得ず』文楽のこととか全く知らないけど

夜になるとポツン、ポツンと立つ街灯が照らす薄暗い近所の道が妙に明るいと思ったら、桜並木がライトアップされていた。そこで初めて桜が満開になっているのに気付いた。コンビニで期間限定のいちご味のお菓子を見て、「ああ、春だなあ」と思っていたけれど、もっと近くに春があった。

三浦しをん『仏果を得ず』(双葉文庫)を読んだ。

2007年11月に単行本が刊行され、2011年7月に文庫化された作品なのだけど、ようやく読んだ。なぜ今まで読まなかったのかというと、文楽というものを全く知らないし、興味もなかったから。いくら三浦しをんが好きでも、このテーマでは…と思ってスルーしていたのだけど、同じくスルーしようとしていた『政と源』が滅法面白かったので、もしかしたら『仏果を得ず』も面白いんじゃね?と思って、読んだら、これがやっぱり面白かった。

『政と源』スルーしないで読んでよかった
雨が続いて急に寒くなった。すぐにでも冬がやって来そうだ。こたつ布団を出そうか。いや、まだ早いか。 三浦しをんの『政と源』(集英社オレンジ文庫)を読んだ。 文庫化されたのは知っていた...

主人公は、文楽で義太夫を語る大夫の健。人間国宝の銀大夫の弟子として、芸の腕を磨くために日々精進している、というか、文楽バカ。師匠の銀大夫がそんな健に組むように命じたのが「実力はあるが変人」と噂される三味線の兎一郎。最初は特定の大夫と組むつもりはないと言って、健と組むことを拒否する兎一郎だったが、共に舞台に上がるうちに二人はコンビとしての絆を深めていく。

健はそう考え、兎一郎の過去をちゃんと知りたいと思った。これからも兎一郎と組んでいきたかったし、兎一郎の三味線に恥じぬ大夫になりたかった。

最初はてっきりBLかと思った。しをんさんだし(笑)。健と兎一郎が少しずつ互いを知り、太夫と三味線としてのコンビ愛を深めていく様は、まるで恋人のようなのだ。

ひとつのことに夢中になり、熱中する人を描いたしをんさんの小説にハズレ無し。『舟を編む』を読み返したくなった。

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新刊文庫メモ

4月の新刊文庫に村上春樹2作品。

4/10 村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』(文春文庫)
4/27 村上春樹『村上さんのところ』(新潮文庫)

伊坂作品も。

4/12 伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』(光文社文庫)

村上春樹の『遠い太鼓』が大好きで、『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』の単行本が刊行された時から文庫化を待っていた私にとって、この文庫化は待ちに待っていたもの。

旅行記なら『遠い太鼓』
村上春樹の新刊が11月21日に刊行される。タイトルは『ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集』。出版元は文藝春秋。 さらに12月4日に『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の...

楽しみだなあ。

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