『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹の小説を久しぶりに買って読んでみた

昨日はクリスマスイブ。特別何かをするつもりはなかったのだけれど、SNSにアップされたチキンやケーキの写真を見ているうちに、何もしなくていいのだろうかと意味もなく焦ってしまった。だけど、外は雨だし、寒いしで買い物に出かけるのは億劫だった。家にあるもので、それらしい料理をと考えて作ったのは、夫の好物のポテトサラダと電気圧力鍋にほとんどお任せのポトフ。メインは塩胡椒して焼いたトンカツ用の肉。一番手間暇がかかったのは、デザートで、冷凍パイシートを使ってスイートポテトパイを作った。本当は今日が本番なのだろうけど、今夜は、母が送ってくれた鯵のみりん干しとご飯と味噌汁にしようと思う。

 

村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文春文庫)を読んだ。

村上春樹のエッセイや紀行文、インタビュー集などは、文庫化されれば大体迷うことなく買って読んでいるのだけど、小説に関しては、新たに買うことがなくなっていた。好きな作品を読み返したりはしているけれど。理由は、最近の小説に惹かれるところがなかったから。ちなみに、最後に買った小説は、おそらく短編集の『東京奇譚集』。長編だと『アフターダーク』。

しかし、最近になって『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が気になりだしたので、村上春樹の小説を久しぶりに買った。そして、読んでみたら、これが面白かった。

一体どうして「色彩を持たない多崎つくる」なのか。まずは、それが気になっていたのだけれど、なるほどそういうことかと納得。後は、なぜ多崎つくるが高校時代の親友4人から理由も告げられることなく絶縁されなければならなかったのか。それを知るために読み進めた。ミステリー小説的な面白さもあって、中盤からラストにかけてはほぼ一気読みだったが、読みながら、相変わらずのエロのくどさに時折つっこみを入れたりした(笑)

 

「泳ぐのは空を飛ぶ次に気持ちの良いことなんだ」と彼は一度沙羅に説明したことがある。
「空を飛んだことはあるの?」と沙羅は尋ねた。
「まだない」とつくるは言った。

 

こういう会話がいかにもで、でも、それが嫌いじゃない(つまり好き)。

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んで、私はやっぱり村上春樹の小説が好きだと今さらのように思った。今のところ超長編の『1Q84』や『騎士団長殺し』を読むつもりはないけれど(ちなみに『海辺のカフカ』も未読)、短編集『女のいない男たち』を他の欲しい本と一緒にポチッとした。

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