夫が料理にハマった、というかハマりつつある。週末になると、ネットでレシピを調べて色々と作ってくれる。最初は大根と干しエビのスープだった。ちなみに私はこれまで干しエビを使った料理を作ったことがない。他にスペアリブ、いなり寿司など。どれも美味しい、美味しいと言って食べた。実際に美味しかったからなのだけど、褒めればまた作ってくれるという下心もあった。それにしても人が作ってくれるごはんは、なんでこんなに美味しいのだろう。
穂村弘『図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記』(文藝春秋)を読んだ。
Kindle版を購入したので、Kindle Oasisをお風呂に持ち込んで読んだ。ちょっとずつ読んだつもりだったのにあっという間に読み終えてしまった気がする。単行本のページ数を調べると、187ページとある。なるほど、このページ数ならあっという間だ。
前作『きっとあの人は眠っているんだよ 穂村弘の読書日記』(河出書房新社)が面白かったので、『図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記』も文庫化を待たずに購入した。面白く読んだのだけど、前作に比べると読書日記の日記感がやや薄まっているように感じた。前作よりもページ数が少ないからそう感じるのかもしれないけれど、日記が「〇〇を読んだ」で始まる割合が増えたような気がする。書評を読むのも好きだけど、私は読書日記の方が好きだ。「〇〇を読んだ」の前(あるいは後でも)に何でもいいから日常の出来事が書いてあると、より楽しい。
例えば、『きっとあの人は眠っているんだよ』の中に、風邪で寝込んでしまったほむほむが「買い物に行くけど、何か欲しいものある?」と訊かれて、「ポカリスエットの水色のやつと、『アイスの実』のぶどう味と、あと、松本清張の本、買ってきて」と答えるエピソードがある。こういうのが好きなのだ。しかし、『図書館の外は嵐』には、そういう日常エピソードが見当たらなかった。
ただ、読んでみたいと思う本は色々と見つかった。その中の一冊が西東三鬼『神戸・続神戸』(新潮文庫)。
『神戸・続神戸』(西東三鬼 新潮文庫)を見つけて反射的に買ってしまった。実家には単行本も前の文庫本もあるのに。アウトサイダーの輝きという点において、この作品は阿佐田哲也の『麻雀放浪記』と並ぶ傑作だと思う。
ほむほむがここまで言うのなら、と思って読んでみたくなる。
それと、今、読み返している長嶋有の『ねたあとに』に西東三鬼の名前がちらっと出てきて、あっと思った。
『図書館の外は嵐』には、そういう気持ち、「好きな人が好きなものに近づきたい」の法則について書いてある。
森脇真未味のことを思い出したら、急に手に入れたくなったのだ。「好きな人が好きなものに近づきたい」の法則である。本の世界(に限らないが)って、そんな風にどんどん繋がってゆく気がする。余談になるが、森脇ファンの私はスランのボーカル安部弘の名前をペンネームとしてもらった。
本の世界に限らず「好きな人が好きなものに近づきたい」の法則は確かにある。