入間人間『安達としまむら5』(電撃文庫)読了。
心待ちにしていた『安達としまむら』の新刊。残りのページ数がどんどん少なくなってしまうのを惜しみながらもページを捲る手を止めることが出来ずに一気読みしてしまった。
このシリーズについてざっくり、本当にざっくり説明すると、女子高校生の安達がクラスメイトの女の子しまむらに対して友達以上の特別な気持ちを抱いて、どうにかしまむらの一番になりたいと不器用ながらも奮闘。一方、しまむらは妙に安達になつかれているなというぐらいにしか思っていなくて、明らかに挙動不審な安達の言動の数々をおおらかに受け入れている。そんな二人を描いた物語。ざっくりすぎるけどこんな感じ。
で、そんな安達としまむらのやり取りにキュンキュンニヤニヤしながら読むというのが私のこれまでの『安達としまむら』の楽しみ方だった。
それがとうとう安達が動いたというか、自分の感情を抑えきれずになりふり構わずしまむらにぶちまけてしまった。安達の長台詞を読むのも辛かった(長いからではなくて内容が)けれど、しまむらから安達への一言に思わず安達と一緒になって「…え」と固まってしまった。私はどちらかというとしまむらタイプというか、人間関係に淡白だからしまむらの気持ちがわかるんだけど、でも、これまでは安達がどう思うかを考えて言葉を発していたしまむらからのあの一言は衝撃だった。
3巻で樽見が登場してから、樽見がキーパーソンになるんだろうなと思っていたけどやはりそうだった。安達に肩入れしている私は樽見にはあまり出てきて欲しくないのだけど5巻にはがっつり登場している。
これまでみたいにキュンキュンするだけではなかったけれど、ニヤニヤしてしまうシーンはもちろんちゃんとあった。それと、途中に挿入される日野&永藤、ヤシロ&しまむら妹の二組のショートストーリーには癒された。
十分に色々あった安達としまむらの夏休みだけど、夏休みはまだ終わらず、後半は6巻で描かれるようだ。
正直に言うと『安達としまむら』を読むまでは「ラノベなんて」と思っていたところがあったけれど、恋愛小説から遠ざかっている私をこんなにキュンキュンさせてくれる『安達としまむら』を「ラノベなんて」と思わず読んで良かった。そうそう、のんさんが描くイラストがまたものすごく可愛いのも素晴らしい。
5巻が発売されたばかりだというのにもう6巻の発売が待ち遠しい。