江國香織の『すみれの花の砂糖づけ』(新潮文庫)を読み返したら、以前読んだ時には特別感じることのなかった詩に思わず涙してしまった。
「父に」という詩の後半部分を。
あの日
病院のベッドで
もう疲れたよ
と言ったあなたに
ほんとうは
じゃあもう死んでもいいよ
と
言ってあげたかった
言えなかったけど。
そのすこしまえ
煙草をすいたいと言ったあなたにも
ほんとうは
じゃあもうすっちゃいなよ
と
言ってあげたかった
きっともうじき死んじゃうんだから
と。
言えなかったけど。ごめんね。
さよなら、
私も じきにいきます。
いまじゃないけど。
特別感じることはなかったと言ったけれど、江國さんのことをちょっと冷たいと感じた。でも、同じような経験をした今、再びこの詩を読んで、そうじゃないと思った。
群ようこの『優しい言葉 パンとスープとネコ日和』(ハルキ文庫)を読んだ。
シリーズ第3弾。たろの代わりのようにアキコの元にやってきた兄弟猫の“たい”と“ろん”。元気いっぱいの2匹のおかげでアキコの生活は賑やかなものになった。近所にそっくりな競合店ができたり色々あるけれど、店は順調、しまちゃんも相変わらずよく働いてくれている。
何だか無性にアボカドが食べたくなった。ドラマの続編つくってくれないかなあ。
買った本
ビル・ビバリー『東の果て、夜へ』(ハヤカワ文庫)、津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社文庫)購入。
『東の果て、夜へ』はツイッターで好評のようで気になったので買ってみた。津村さんに絶賛ハマり中で、芥川賞受賞作の『ポトスライムの舟』も読みたいと思っていた。