クリスマスソングといえば、山下達郎の『クリスマス・イブ』。耳にする機会の多いこの時期は知らぬ間につい口ずさんでいたりする。一方、竹内まりやの『すてきなホリデイ』もクリスマスソングの定番で、「クリスマスが今年もやって来る〜」とやはり知らぬ間に口ずさんでしまうのだけど、うきうきした気分になりたいのなら歌詞の内容からもこちらではないかと思う。
それにしても日本のクリスマスを彩る定番ソングをそれぞれが持っているというのは何ともすごい夫婦だ。クリスマスプレゼントもお年玉も貰う側からあげる側になってもう何年にもなる。甥っ子へのクリスマスプレゼントについては今年も姉に探りを入れてもらったので喜んでもらえそうなプレゼントを贈ることが出来そう。
川上未映子『愛の夢とか』(講談社文庫)、若竹七海『依頼人は死んだ』(文春文庫)を読んだ。
どちらも初めましての作家で、どちらも短篇集だったのだけれど、どちらもその多くを後味の悪い作品が占めていた。
『依頼人は死んだ』は殺人事件が起きるミステリーだし後味が悪いのも覚悟していたけど、『愛の夢とか』はもっとこうふわっとしていると勝手に想像していたのだけれど、違っていた。最初の「アイスクリーム熱」とそれに続く表題作「愛の夢とか」を読んだ時は文庫の帯を書いた江國香織の作品に似ているような似ていないような、そんな雰囲気を感じたのだけど、その後は思わずぞわっと鳥肌が立つような作品が続いて、引き込まれはするものの私にはちょっと合わないかもと思いながら読み終えた。ただ、最後の「十三月怪談」はタイトルから想像した感じと違っていて泣けた。『アメトーーク!』の読書芸人で光浦靖子さんが川上未映子さんについて新刊が出たら買うと話していたけれど、一筋縄ではいかない作品が好きそうな光浦さんがそう言うのは何だか分かるような気がした。まだ一冊しか読んでいないけれど。
ちなみに「愛の夢とか」は百合らしいと小耳に挟んでいたのだけれど、百合かどうかは微妙なラインというか違うような気がする。どこにそんなラインがあるのか分からないけど。お互いをテリーとビアンカと呼び合うお隣に住む女性二人(どちらも日本人)の話で、テリーについては「彼女の年齢は、顔は六十代前半、そのほかの部分は七十歳前後って感じ」とあるので、年齢はそれぐらい。一方、ビアンカ(わたし)については「顔色の悪い痩せぎすの四十女」とあった。そんな二人がまあくちづけをするにはするのだけど、とにかく不思議な雰囲気の漂う話だった。それはこの短篇集全体に言えることだけど。
『依頼人は死んだ』は後味は悪いがいずれの短篇も「そうきたか!」と思わずうならされる結末で面白かった。これを読んで良かったら女探偵・葉村晶シリーズの他の作品も読もうと思っていたが、読むことに決めた。
買った本
高殿円『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』(ハヤカワ文庫)、伊坂幸太郎『首折り男のための協奏曲』(新潮文庫)を買った。
海外ドラマ『SHERLOCK』にハマって、『シャーロック・ホームズの冒険』を一冊読んだだけですっかりホームズ好き気取りの私。『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』はホームズとワトソンが女性で、しかも若干の百合っぽさもあるらしいということで読んでみたいと思っていたところ折好く文庫化された。ちなみに初回配本限定で箔押しカバーになっている。
『首折り男のための協奏曲』は伊坂さん好きなので。