スーパーのお菓子コーナーをウロウロして、アポロとマーブルチョコのアソートをカゴに入れた。どっちも子供の頃から好きで、十分すぎるほど大人になった今でもたまに食べたくなるのだけど、好きなものだけが詰まったアソートって嬉しい。
好きな短編がぎっしり詰まっている金城一紀の『映画篇』(集英社文庫)を読んだ。
もう何度も読んでいるけど、読む度に「大好きだー!」って思う。「太陽がいっぱい」の男同士の熱すぎる友情とか、「ペイルライダー」のめちゃくちゃカッコいいおばちゃんとか、「愛の泉」のちょっとおバカだけどまっすぐで女の子に対して奥手すぎる主人公やアホアホパワーをまき散らすケン坊とか、どのストーリーも好きだし、登場人物が愛おしい。
『映画篇』を読むと映画が観たくなる。小学生の頃、任侠映画好きの父がレンタルビデオショップ(当時はまだビデオだった)に行くのに付いて行くと、「好きなのを借りていいぞ」と言ってくれたので、自分で選んでビデオを借りたのだけど、それがキッカケで映画好きになった。最初はジャッキー・チェンの映画や『少林寺』などのカンフー映画やアニメ。中学生になると自分一人でも借りに行くようになって、恋愛映画なんかもたくさん観た。ちょっと背伸びして『ポンヌフの恋人』とか観たりして。そんなに大きくないレンタルビデオショップだったので古い映画も新しい映画もそれこそ片っ端から借りて観た。『ロードショー』や『スクリーン』といった映画雑誌も買っていた。あと、淀川長治さんや戸田奈津子さんの本も読んだり。
最近は昔ほど映画を観ていないのだけど、先日BSで放送していた『ニュー・シネマ・パラダイス』を何年かぶりに観て「いやぁ、映画って本当にいいものですね」ってしみじみ思って、それで何だか『映画篇』を読みたくなったのだ。そして、『映画篇』を読んだら今度は映画が観たくなるっていう。
映画も小説も本当にいいものだ。