文筆家・星野源

私は小説と小説を並行して読めないのだけど小説とエッセイ、あるいはエッセイとエッセイなら並行して読める。そんなわけでここ最近はエッセイをいくつか並行して読んでいる。

 

星野源『そして生活はつづく』(文春文庫)を読んだ。

面白い。実に面白い。正直ここまで面白いとは思っていなかった。文庫版特別対談できたろうさんも最初に「本、読みましたよ。いや、源くんが書いてるんだからそれほどでもないだろう、っていう低めの基準値から読んだからさ、ものすごくおもしろかった(笑)。」と言っている。

私は星野源のファンではない。あの大ヒットドラマも観ていない。大ヒット主題歌を歌番組で歌うのは何度も観たけれど。CDを持っているわけでも、曲をダウンロードしたことがあるわけでもない。じゃあ、なぜエッセイを買ったのかと言うと、荻原魚雷の『書生の処世』で紹介されていたのを読んで興味を持ったから。

 

 

子供の頃からお腹が弱い私はこの『そして生活はつづく』を読んで星野源に勝手に親近感を抱いてしまった。

これも文庫版特別対談できたろうさんが「源くんのこの本も『くそして生活はつづく』だもんね」と言っているけれど、う○ちの話がわりと出てくる。

その中からひとつだけ「ばかはつづく」というエッセイから引用したい。お食事中の方はここから先は読まない方がいいかもしれない(笑)。

 

あと体育でマラソンの授業中に急におなかが痛くなって、先生に許可を得てトイレに行ったのはいいが、下駄箱のところで我慢できずにもらしてしまい、白い体操着の半ズボンからサーっとうんちが出てきたのでパニックになり、どうしたらいいかわからず手ですくって壁にパーンと投げたら、校舎の壁に茶色いナイキのマークがバーンとでき、それ以来、学校の中では「うんこナイキの謎」として都市伝説化していたが、それを卒業まで「ぼくじゃない」と知らんぷりをしていたのも、我輩である。

 

話を盛っているとしても、かなりすごいエピソードだ。同じおなかが弱い者として親近感を抱いたと言ったけれど、私はこんな壮絶な体験をしたことはない。

とにかく面白おかしいエピソードがてんこ盛りで、元気がない時、笑いたい時に読み返したいと思う。文筆家・星野源のファンになった…かもしれない。

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買った本

川上弘美『東京日記 1+2 卵一個ぶんのお祝い。/ほかに踊りを知らない。』(集英社文庫)、光瀬憲子『台湾一周!安旨食堂の旅』(双葉文庫)購入。

川上弘美さんのエッセイが好きで、東京日記も文庫化されたら読みたいと思っていたのだけれど、一向にその気配がなくて忘れていたら、昨年文庫化されたことを知った。

『台湾一周!安旨食堂の旅』はいつかまた台湾旅行に行く時のために。台湾で食べたものは本当になにもかも美味しかったなあ。

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