武田百合子『富士日記(下)』最近のお風呂本

実家からもらったダンボール箱いっぱいのじゃがいもをせっせと食べる日々が続いている。ポテサラ、カレー、シチュー、肉じゃが。私のじゃがいも料理のレパートリーの少なさよ。

 

冬はお風呂にゆっくりと浸かるので、本を持ち込んで読書をしている。

 

最近のお風呂本は、武田百合子の『富士日記(下)』(中公文庫)。

『富士日記』は、ふと読みたくなる時がある。そんな時は本棚から上・中・下巻のどれかを適当に取って、適当なページから読んでいる。

私がお風呂で読むのは、この『富士日記』のような日記かエッセイ。小説だと続きが気になって読み続けてしまうので、私の場合のぼせてしまう危険がある。

お風呂本には一応の防水対策としてコンサイスの透明ブックカバーを付けるようにしている。

 

 

『富士日記』にはその日の食事のメニューや買ったもの、その値段なんかが箇条書きで書いてあったりするのだが、それを読むだけでもなんだか面白い。

 

吉田のNマーケットで。みりん百五十円、ポン酢六十五円、のり四十六円、グリンピース二罐八十円、ごま塩五十二円、さんま味付罐四十五円、すしのこ五十五円、いんげん一袋八十五円、みょうが三個三十円、歯みがき九十円、タネなしぶどう一キロ二百七十円、菓子二百五十円、孫の手六十五円。
主人からくれぐれも頼まれたハエタタキは、このマーケットにも、途中で寄った雑貨屋にも、どういうわけかない。代りに孫の手を買ってしまった。

 

これは、昭和四十四年八月二十四日の日記。

ハエタタキを頼まれたのに(しかもくれぐれも)、なぜか代りに孫の手を買ってしまう百合子さん(笑)

この日の日記の最後にこうある。

 

夕暮れになると脚は冷や冷やしてくる。脚は冷や冷やして重い。
夜、星空となる。
マゴノテで背中をかいてみる。

 

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買った本

津村記久子『ポースケ』(中公文庫)、杏『杏の気分ほろほろ』(朝日文庫)購入。

 

『この世にたやすい仕事はない』を読んでますます津村さんのファンになり、とにかく未読の津村作品を読みたいということで『ポースケ』の文庫を買った。今、読んでいるところなのだけど、やはり面白い。

 

女優の杏さんのエッセイは第1弾『杏のふむふむ』がしみじみ良かったので、第2弾の文庫化を待ちわびていた。

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