プレーンソング

テレビでは10連休だとやたら騒いでいたけれど、ちょっと帰省してあとはどこかに出かけるわけでもなく家で思い思いに過ごしていたらあっという間に終わってしまい、我が家にとってはいつものGWとそれほど変わらなかった。そのおかげか夫は連休明けの出勤もそれほど辛そうではない(ように見える)。

 

保坂和志の『プレーンソング』(中公文庫)を読み返した。十数年前に買った文庫は日焼けしてすっかり古びている。『プレーンソング』を読んで、これは面白いと思ってすぐに続編の『草の上の朝食』の文庫を買って読んだ。そして『季節の記憶』や『カンバセイション・ピース』なんかも読んだのだけど、それらはあまりしっくりこなくて、結局手元に残しているのは『プレーンソング』と『草の上の朝食』の2冊だけ。

『プレーンソング』を春に読みたくなるのは、季節が重なっているせいもあるのかもしれない。

 

五月の晴れた日というのは本当に空が青くてゆっくり吹いてくる風が暑さの手前のところで気候を一番いい感じにしてくれていて、心もからだの皮膚も毛穴のひとつひとつもみんなひらかれた気持ちになってくる。そんな日にのんびりと歩いているのだけで楽しいのに、行き先が遊園地ということになるとからだ全体がむずむずしてくるようだった。

 

今の時期、晴れた日に吹く風は本当に気持ちがいい。

 

『プレーンソング』を読もうと思ったのは、あらすじ紹介に「猫と競馬と、四人の若者のゆっくりと過ぎる奇妙な共同生活」とあって、競馬の話が出てくるらしいと知ったから。

 

ダービーが終わると、といってもアキラにもよう子にもダービーは無関係だったのだからたんにそれと時期が一致していたということで、さらにはあの時期のぼくの記憶が競馬の進行で刻まれていたことの証明でしかないのかもしれないが

 

この辺の感覚はもしかしたら競馬好きにしか伝わらないのだろうか。ダービーだけでなく、例えば私はGWのことを思い出そうとするとその年の天皇賞(春)のレースを思い出したりする。

久しぶりに読み返したけれどやはりよかった。ちなみに『プレーンソング』に出てくる馬名は実在の馬の名前で、ダイナガリバーがダービーを勝っているので1986年の話だとわかる。私はまだまだ子供でこの頃はまだリアルタイムでレースを観ていない。

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買った本

仲谷鳰『やがて君になる』7巻(電撃コミックスNEXT)、あfろ『ゆるキャン△』8巻(まんがタイムKRコミックス)購入。

やが君は6巻の終わりがあれだったので、7巻を読むのにあまり気が進まなかったのだけど読んでよかった。今回は侑と燈子ではなく、燈子と沙弥香にスポットが当たっている。薄々察していただろうとはいえ沙弥香には辛い結果になった。この流れで10日に入間人間の『やがて君になる 佐伯沙弥香について(2)』が出るわけだけど、小説では沙弥香の恋はどう描かれるのだろうか。

一方、なんの心配もなく安心して買えるのが『ゆるキャン△』。女の子のグループで諍いなど全く起きずみんなで和気藹々のほほんとしているある意味ファンタジーのような世界。私にとって『動物のお医者さん』、『あたしンち』に並ぶ癒し漫画になっている。

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