2025年になって最初のブログ更新。もう2月。1月は行ってしまった、と毎年この時期に思うことを今年もやっぱり思っている。
昨年は11月に韓国、年末に台湾と久しぶりに海外旅行を楽しんだ。コロナ禍前に台湾に行って以来だった。
長嶋有『ルーティーンズ』(講談社文庫)には「願いのコリブリ、ロレックス」と「ルーティーンズ」の2編が収録されている。東京で暮らす作家の「俺」と漫画家の「私」は夫婦で、2歳の娘がいる。この家族の日常を描いたもので「願いのコリブリ、ロレックス」はコロナ禍前、「ルーティーンズ」はコロナ禍で緊急事態宣言発令前後となっている。
「ルーティーンズ」では緊急事態宣言の発令によって娘が通う保育園は休園、「俺」が通うドラム教室は休業となるなど家族のそれまでの日常は変化する。なにしろ緊急事態なのだから。だけど、それも日常の続きのように感じられるのは、どこかちょっと力の抜けた長嶋有独特の世界観だからだろう。私はその世界観が好きで長嶋有の小説を読み続けている。
「俺」は髪も体も一本で洗えるボディーソープのコマーシャルを見て、今までの髪はシャンプーとリンス、体は石鹸という区分は何だったのかと妻に疑念をぶつけたのだけど、緊急事態宣言以降に変化する。
最近——緊急事態宣言以降といっていいだろう——同じコマーシャルをみて、それでいいじゃんと受け止めていた。ボトル三本でなく一本でいいことに、喜びに近い気持ちが湧いて、ということは俺、なんだかあまり「生きて」ないって感じだな、とそのとき思い至ったのだ。
うまく説明できないのだけれど、「そうそう、これこれ、この感じ」と思いながら読んだ。
買った本
ブログの更新が久しぶりすぎて、買った本の紹介ができていなかったのでまとめて紹介。長嶋有の『ルーティーンズ』以外は全てKindleで購入。
瀬口たかひろ『漫画家接待ごはん』(角川コミックス・エース)は、セール中に全3巻をまとめて購入。福岡に住む中堅漫画家の濱ケンジが福岡や東京のうまい店で出版社の担当と食べる「接待ごはん」がとにかく美味しそう。
これも漫画で、綿野マイコ『かわいすぎる人よ!』(HARTA COMIX)の1&2巻を購入。イケメンすぎる叔父さんと外見に自信のない姪っ子の二人暮らしを描いている。3巻に続くようなので、発売を楽しみに待ちたい。
もう読み終えたのだけど、小林聡美『聡乃学習』(幻冬舎文庫)。昔から小林聡美さんのエッセイが好きなのだけど、この『聡乃学習』も期待通りの面白さだった。
文庫化を楽しみにしていたのが光浦靖子『50歳になりまして』(文春文庫)。読書芸人としても知られる光浦さんのエッセイが以前から気になっていた。初めて読む、というか、いま読んでいる最中。
現在お風呂でちょっとずつ読んでいるのが橋本倫史『ドライブイン探訪』(ちくま文庫)。
⼩河知惠⼦『秘密にしたい! 台湾の本当においしいお土産』(辰巳出版)は、昨年の台湾旅行前にちょうどいいタイミンでセールになっていて、Kindleなら台湾でもスマホで見られるし、と思い購入。
⼩河知惠⼦さんは台湾で暮らしている台湾料理研究家。台湾のお菓子はもちろん調味料や食材、雑貨、さらに台湾料理レシピもカラー写真で紹介されていて、眺めるだけでも楽しい。個人的にはスーパーやコンビニで買えるお菓子の紹介が興味深かった。
司馬遼太郎『街道をゆく40 台湾紀行』(朝日文庫)。これは台湾旅行の余韻が残るなか購入。実は、「街道をゆく」はかなり昔に一冊買ったけど、乗りきれなくて途中で読むのをやめたことがあったので、ちょっと迷ったけれど冒頭を読んだら今度は読めそうな気がしたので買ってみた。
夫が遠近両用眼鏡を使うようになっても私はまだ大丈夫!なんて思っていたのに、最近ちょっとあやしくなってきた。これまでは基本的に小説は紙の本、エッセイや漫画はKindle版を買うようにしていたのだけど、そろそろ小説もKindleにするかもしれない。ただ、好きな作家のなかには堀江敏幸さんや江國香織さんのように著作を電子書籍化していない作家もいるので、その場合はもちろん紙の本を買うけれど。