『それからはスープのことばかり考えて暮らした』を読んでからはサンドイッチのことばかり考えてる

母の日のプレゼント選びには困らないのに父の日は毎年ちょっと困る。悩みに悩んだ結果、今年はユニクロのプレミアムリネンシャツを色違いで2枚にした。気に入ってもらえたようで、「うれしくて早速着たよ」と電話があって、私もうれしくなった。

 

吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(中公文庫)を読んだ。吉田さんの小説の中でもかなり好きな作品だと思っていた(だから手元に残している)はずなのに、しばらく読まずにいたので内容をずいぶん忘れてしまっていた。たとえば私は小学生の少年リツ君が主人公だと思っていたけど、実際は青年のオーリィ(大里)君が主人公だったり、とか。覚えていたのはサンドイッチとスープがとにかく美味しそうだったということ。

 

それにしても、三度目だからよかったようなものの、サンドイッチの袋をあけてからはまるで映画が頭に入らなくて、ハムの香りに驚き、きゅうりの口あたりに魅了され、ついにマダムの分にまで手をつけて、すべて食べつくしてしまった。
映画に夢中になるあまり、何を食べたのか覚えていないことは何度かあったが、サンドイッチに夢中になってスクリーンが霞むなんて信じられない。

 

読みながら無性にサンドイッチを食べたくなったけれど、買いに行くのも作るのも面倒だったので、とりあえず家にあった塩ホイップあんぱんを代わりに食べてサンドイッチを食べたい気持ちをなんとかごまかした。でも、やっぱり美味しいサンドイッチが食べたい。

 

ちびちび読んでいた長嶋有『本当のことしかいってない』(幻戯書房)を読み終えた。私は本についての本を読むのが好きなのだけど、この『本当のことしかいってない』は書評集。

長嶋さん自身も書評集が好きなようで、あとがきにこう書いている。

 

いろんな作家の書評集が好きで、誰もが好きだろうと思っていたが、皆が皆、そうではないのらしい。最近は(といってもわずか十年ほどでの実感だが)書評集を出す作家が少ない。
自分が読書家でないから、余計に人の読書ぶりを知りたいのかもしれない。人の書評で、その本に手を伸ばすこともあるし、そこで書かれた言葉から、書評者の考えや感じ方に触れて充実を得ることもできる。

 

「人の読書ぶりを知りたい」というのは、わかる気がする。

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買った本

柴崎友香『百年と一日』(ちくま文庫)を買った。

文庫化されたら買おうとは思っていたけど、後回しになっていた。でも、この前『春の庭』を読んで、やっぱり柴崎友香いいなあと思って、この『百年と一日』のことを思い出した。

一篇一篇が短いということで、それならエッセイみたいにKindle版で読んでもいいかなと思ったけれど、文庫本のカバー(単行本と同じ)が素敵だから文庫本にした。

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