津村記久子さんのオススメらしいのでマーガレット・ミラーの『殺す風』を読んでみた

先日人間ドックに行ってきた。毎年行っているわけじゃない。「そろそろ人間ドック行ってきたら?」と夫に言われるたびに「行く気になったら行く」、「そのうち行く」とはぐらかしていたけれど、結局は自分のためだと思って重い腰を上げた。特に再検査の必要がある項目もなく、ホッとしたけれど適度な運動をして食事に気をつけるようにとあった。そういえば、「運動は?」と聞かれ「全くしてません」と答え、「間食は?」と聞かれ「毎日食べます」と正直に答えたら苦笑いされたのだった。というわけで、最近ちょっと歩くようにしている。いつもは車で行くドラッグストアに歩いて行って(徒歩10分)、すっかり運動した気になって甘くて冷たいミルクティーを買って帰って飲んだ。

 

前にもこのブログに書いたけれど、津村記久子さんが「作家の読書道」で紹介していたマーガレット・ミラー『殺す風』(創元推理文庫)を読んだ。

 

あ、マーガレット・ミラーも大好きでした。『殺す風』という本がすごくて、そこから全作読みました。釣り仲間の男たちがいて、そのなかの一人で後妻さんと暮らしていた男が失踪するんです。死体も出てこない。それだけの話なんですが、周囲の人たちの様子から目が離せない。地下鉄で読んで、電車を降りた後に改札まで行けなかったんです。駅のベンチに座って続きを読みました。これはすごい作家さんやと思いまして。ミラーはどの本もみんなそうでした。人間をめちゃくちゃよく見て、どんな人間のことも興味深く書く。それが楽しいし読みたいと思わせるのがすごい。善悪を超えるものがあるんです。
第155回:津村記久子さんその5「就職してからの苦労&作家デビュー」 – 作家の読書道

 

自分の好きな作家が好きだ、面白いという本はやはり気になるもの。東京創元社 文庫創刊60周年フェアの作家推薦「私が影響を受けた1冊」でも津村さんは『殺す風』を挙げている。

で、読んでみたらこれが面白かった。ロンは週末に釣りを楽しむため仲間が待つロッジへ向かう。向かったはずだった。しかし、ロンは一向に姿を見せず、仲間たちは途中で事故にでもあったのではないかと心配しあちこちに連絡をするのだが消息はつかめない。裕福で後妻とまだ幼い2人の息子たちと何不自由なく暮らし、たまに昔からの仲間と集まって趣味の釣りを楽しんでいたロンが急に姿を消した理由は何なのか。それが徐々に明らかになっていく。派手さはなく地味にじわじわと話が進むのだけれど、いつの間にか引き込まれていた。結末を知った時のゾクゾクする感じが『さむけ』を読んだ時と似ているような気がしたのは、マーガレット・ミラーとロス・マクドナルドが夫婦だという前知識があったからかもしれない。ちなみに津村さんは「死体も出てこない」と言っているけど、死体は出てくる。

 

買った本

今月の新刊文庫で楽しみにしていた恩田陸『蜜蜂と遠雷』上・下(幻冬舎文庫)を買った。

上下巻を横に並べると、タイトルがつながる。

 

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