決して潔癖症というわけではないのだけれど、私は古本が苦手だ。いや、苦手だった。絶版で電子書籍化されていなくて、でも、どうしても読みたい本があると、ここ数年は古本で買うようになった。Amazonのマーケットプレイスなど、ネットで気軽に古書を購入できるようになったのも大きい。
有吉玉青『身がわり 母・有吉佐和子との日日』(新潮文庫)は、ネットではなく古本屋で購入した。もう20年近く前のことなのではっきりと覚えていないけれど、ブックオフかそれと同じようなチェーン店だったと思う。
なぜ絶版の『身がわり』を古本を買ってでも読みたいと思っていたのかというと、これもかなりうろ覚えなので、もしかしたら間違っているかもしれないけれど、当時好きだった漫画家が『ダ・ヴィンチ』か何かで紹介しているのを読んだから。
その漫画家というのは、鴨居まさねさん…だったと思う。
『身がわり』の文庫本は購入時、既にあまり状態がよくなかった。改めて見てみると、文庫の最終ページに鉛筆で180と書いてある。覚えていないけど180円で買ったのだろうか。
滅多に古本を買うことのない私の本棚に並ぶ文庫本の中で最も状態が悪いのが、この『身がわり』なのだ。そこで、思いついたのがグラシン紙でブックカバーを作ることだった。
上手くできるかどうかわからないし、50枚や100枚なんて必要ない。100円ショップに売っていないだろうかと思って、キャンドゥに行ってみたら「厚口トレーシングペーパーA4 7枚」というのがあった。素材はグラシン紙とある。キャンドゥには厚口ではない普通の「トレーシングペーパーA4 15枚」というのもあるみたいなのだけど、私が行った店には置いていなかったので厚口を買った。7枚もあれば十分だし。
早速ブックカバーを作ってみることに。まずは大体この辺りかなという位置に文庫本を置く。
そして折り目を付ける。
そういえば、以前「100円ショップのデコレーションペーパーでハヤカワ文庫のブックカバーを作ってみた」という記事を書いた。
あれは読む時だけ付けるブックカバーで、折るだけなので簡単だった。
しかし、今度のグラシン紙で作るブックカバーは文庫本にそのまま付けておくので、ハサミで切ったり、のりで貼ったりする作業があって、ちょっとだけ面倒。
こんな感じでハサミでカットする。
どうなっているのかというと、こんな感じ。
折って重なる部分をのり付けする。
完成。
厚口トレーシングパーパーということで、結構しっかりとしているけど、表紙はちゃんと透けて見える。背の文字も確認できる。
今回は、ヤケや汚れを防止する目的ではなく、状態の悪い本の見た目をちょっと良くするためにカバーをしてみたのだけれど、なかなかいい感じになったのではないかと満足している。
余ったトレーシングペーパーで小沼丹の『椋鳥日記』と『珈琲挽き』の講談社文芸文庫2冊にもカバーをかけた。講談社文芸文庫はお高いので特別扱い。
『身がわり』は、もう何年も読み返していないから、近いうちに読んでみようかな。
上手くできたし、今度は50枚入りグラシン紙を買うのもいいかも。