およそ2年ぶりにマックのハンバーガーを食べた。昼ごはんを食べ損ね、夕ごはんにはまだ時間がある中途半端な時間だったけれど、とにかくお腹が空いていたのでチーズバーガーとてりやきチキンフィレオとポテトとホットアップルパイをぺろりと食べてしまった。本当はマックシェイクも、と思ったけれどさすがにやめておいた。久しぶりに食べたマックはとても美味しかった。
村上春樹・安西水丸『象工場のハッピーエンド』(新潮文庫)を読んだ。
実は、この文庫本、何年も、いや十何年も前から買おうと思って本屋に行けば手に取っていたのだけど、スーパーで買い物をする時にグラム当たりの値段を計算してしまうように同じ値段なら他の欲しい文庫、もっと厚い文庫が買えるよなあなどと考えてしまって、つい後回しになっていた。
ようやく買った『象工場のハッピーエンド』の文章とイラストをじっくりと味わうように読み、ながめた。私のお気に入りは「ジョン・アプダイクを読むための最良の場所」と「マイ・ネーム・イズ・アーチャー」。ロス・マクドナルドの小説(『ウィチャリー家の女』と『さむけ』と『象牙色の嘲笑』)は読んだことがあるけれど、ジョン・アプダイクを読んだことは、まだない。
僕が大学に入るために東京に出てきたのは1968年の春だった。大荷物を持つのは嫌だから必要なものは先に送ってしまい、コートのポケットに煙草とライターとジョン・アプダイクの『ミュージック・スクール』だけをつっこんで家を出た。バンタムだかデルだかのペーパーバックで、昔風のすっきりとした良い表紙だ。ガール・フレンドと食事をして、さよならを言って、新幹線に乗った。
気障だなあ、でも、まあ村上春樹だからいいよねと思いながら読む。すると、続けてこうあった。
アプダイク一冊をポケットにつっこんで東京に出るというのは今にして考えてみれば気障な話だが、それはまあいい。
本人も気障だと認めていた。
「マイ・ネーム・イズ・アーチャー」で好きな一文はこれ。
僕はロス・マクドナルドのリュー・アーチャーものはみんな尻尾の先まで好きだ。
『象工場のハッピーエンド』を買ってよかった、もっと早く買えばよかったと思いながら読み終えた文庫を本棚の村上春樹コーナーに収めた。
買った本
いつか読みたいと思っていた石井桃子『幻の朱い実』上下巻(岩波現代文庫)を買った。上下巻どちらも千円超えの文庫本なのだけど思い切って買ったのは、百合、百合言われているからというのが大きな理由だったりする。
8月後半はこの長編小説を読むつもり。
Kindle Oasisを買って変わったことのひとつは、前よりも漫画を買うようになったことかもしれない。本棚のスペースを気にする必要がないせいか特に漫画はKindle版だとサクッと買ってしまう。
水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』(A.L.C. DX)は、Amazonでおすすめに出てきていたので試し読みをしたら面白そうだったのと、Kindleの50%ポイント還元キャンペーンの対象になっていたこともあって買ってみた。キラキラした漫画もいいけれど、主人公がちょっと疲れた感じの漫画というのは何というか現実味があってそれもまたいい。続きが気になるけれど2巻はまだのようだ。