金城一紀『レヴォリューション No.3』ギョウザ大好き!

私はツイッターをしているのだけど、誰がどんな本を読んでいる、読んだ、あるいは買ったなどというツイートを見るのが好きだ。それが自分の知っている本でも、見たことも聞いたこともない本でも楽しい。

先日、「#永遠に色褪せない青春小説」というハッシュタグ付きのツイートを見かけて、面白そうなので私もやってみた。

本棚に並ぶ文庫本の背を見ながら、さて、どの小説が私にとっての「#永遠に色褪せない青春小説」なのか考え、選んだ。

 

 

真っ先に「これだ!」と思ったのが、金城一紀の『レヴォリューション No.3』(角川文庫)。

『レヴォリューション No.3』は、ザ・ゾンビーズ・シリーズの第1弾。私はこのシリーズ作品(残念なことに全4作しかない)が全部好きだ。

日本と韓国で映画化された第2弾『フライ,ダディ,フライ』も大好き。

今年の夏は、クリスティの作品を読破しようと思ってるんだ
森永のビスケット。ムーンライト(夫)かマリー(私)で揉める。まあ、どっちも買えばいいだけの話なんだけれど。 金城一紀さんは好きな作家の一人なのだけど、もう小説を書くことはないのだろうか。...

 

久しぶりに読みたくなったので『レヴォリューション No.3』を読んだ。

文庫のページをめくると、目次の次のページにこうある。

 

毛沢東の肖像を掲げたって
世界は変えられないよ
———ザ・ビートルズ

 

ギョウザ大好き!
———ザ・ゾンビーズ

 

私は知らなかったのだけど、ザ・ビートルズの言葉は「Revolution」という曲の歌詞らしい。ザ・ゾンビーズの方は、作中に出てくる。

主人公の「僕」は「偏差値が脳死と判定されてしまう血圧値ぐらいしかない」男子高に通っている。ザ・ゾンビーズは、彼の高校の仲間たちが結成したグループ。何のためかというと、良家の子女が通う女子高の学園祭に潜入するため。その潜入作戦を描いたのが表題作「レヴォリューションNo.3」。他に「ラン、ボーイズ、ラン」、「異教徒たちの踊り」が収録されていて、いずれもザ・ゾンビーズの面々が登場する。

久々に読んだけど、やはりいい。面白くて、くだらなくて、切なくて、熱い。まさに「#永遠に色褪せない青春小説」だと私は思う。

 

僕はみんなの様子を簡単に見てまわったあと、甲板に腰を据えて舜臣から借りたジャンケレヴィッチの『死』を読んだ。難しくて取っつきにくい部分が多かったけれど、頑張って読み進めた。三十時間をかけて読み終えるまで、一睡もしなかった。不思議なことに、眠くもならなかった。ちょうど読み終えた時、分厚い雨雲が太陽を覆い隠して、激しい通り雨を降らせた。僕は雨に濡れるのも構わず、甲板の手摺から身を乗り出し、無数の雨粒が海に落ちていく様子をずっと眺めていた。空と海は雨の糸で繋がり、圧倒的な一体感を醸し出していた。僕はなんとなく羨ましくなって手摺からさらに身を乗り出し、空と海のあいだに割り込んで強引に仲間入りを果たした。ほどなく雨雲が去り、太陽がまた顔を覗かせた。キラキラ光っている海面を遠くまで目で追っていくと、遥か水平線の近くで虹がマクドナルドのマークみたいに二重にかかっていた。恐いぐらい綺麗だった。僕はそれを見ながら少しだけ泣いたあと、ひどく眠いことに気づき、寝ることにした。僕は『死』の中にあった、「死なないものは生きていない」という一節を、三度唱えて眠りに就いた。
「ラン、ボーイズ、ラン」

 

金城さんの小説には、本や音楽、映画のタイトルが出てくる。それも私が金城作品を読む楽しみのひとつだったりする。ジャンケレヴィッチの『死』を読んだことは、まだない。

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金城編集長が選ぶ、おすすめの角川文庫6冊

私は、文庫本に挟んであるチラシは大抵の場合、捨ててしまうのだけど、『レヴォリューション No.3』に挟んであったチラシは取ってあった。

なぜって、「金城編集長が選ぶ、おすすめの角川文庫6冊」が載っていたから。金城編集長とは、金城一紀さんのこと。

当時、このチラシを見て、『汚れた7人』や『雀鬼くずれ』を読んでみたいと思ったのだけど、読んでいない。リチャード・スタークの『汚れた7人』はどうやら絶版らしい。しかもKindle版もない。

汚れた7人 (角川文庫)
角川グループパブリッシング

 

稲見一良『ソー・ザップ!』もやはり絶版のようだけど、こちらはKindle版がある。

 

阿佐田哲也『雀鬼くずれ』は文庫もKindle版もある。

 

大藪春彦『殺し屋たちの烙印』は絶版でKindle版もない。

 

小松左京『霧が晴れた時 自選恐怖小説集』は文庫、Kindle版ともにある。

 

小林信彦・編『横溝正史読本』は絶版でKindle版もない。さらにAmazonマーケットプレイスでは古本が定価よりもかなり高くなっている。

 

本は、ちょっとでも読みたいと思った時に買っておかないと絶版になってしまうのだということを、ついうっかり忘れてしまう。

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