台湾旅行の前にと思い立って吉田修一の『路』を読む

3泊4日の台湾旅行に行ってきた。大げさじゃなく食べるもの全てが美味しかった。地下鉄の乗り換えでは駅の構内を一駅分は歩いているんじゃないかというぐらい歩いて疲れたけれど、楽しい旅行だった。

 

台湾に行く前にと思い、積んでいた吉田修一の『路』(文春文庫)を読んだ。

主人公は、台湾の台北と高雄を結ぶ高速鉄道建設工事に携わることになる日本人女性・多田春香。春香には忘れられない人がいた。それは彼女が学生時代に台湾を旅した時に出会った青年エリック。再会を約束して別れたのだが、春香がエリックの連絡先を書いたメモをなくしてそれっきりに。それから時は過ぎ、春香には繁之という恋人がいる。台湾新幹線事業部の春香は台湾支局へ行くことになり、台湾に新幹線を走らせるために奔走する。一方、エリックこと人豪はというと、日本の建設会社で働いていた。春香と人豪、他にも何人かの登場人物の視点でストーリーが展開する。

私は吉田修一の熱心な読者というわけではない。家の本棚を見てみると、『パレード』、『東京湾景』、『7月24日通り』、『横道世之介』、そして、この『路』の文庫が並んでいる。地味に好きなのは『東京湾景』。それから、最近『横道世之介』の続編が出たということで、楽しみ。いつものように文庫化待ちになるだろうけど。

これまで読んだそれほど多くはない吉田修一作品には「熱い」というイメージはなかったのだけど、『路』はなかなか熱かった。熱さと人情味。伝わるかどうかわからないけど、宮本輝が好きでよく読んでいた私は宮本輝っぽさを感じた。

で、『路』が台湾旅行に役立ったかというと、私の場合、特に役立ちはしなかったけれど、それとは関係なく面白くて一気に読んだ。最近、読書熱が高まっていてガツガツ本を読んでいる。『路』もその勢いで読んだ。

台湾旅行は楽しかったが、『路』に出てくる紅豆湯圓を食べなかったのが心残りだ。

 

ユキと並んでソファに腰掛け、安西も紅豆湯圓を食べた。日本のおしるこみたいなものだが、甘さは控えめで餅の代わりに芋やタピオカが入っており、ユキに薦められて以来、食後のデザートといえばこれを食べるようになっている。

 

そうそう、タピオカといえば台湾で飲んだタピオカミルクティーのタピオカはもっちりしていて食べ応えがあった。私が今までコンビニやスーパーで買って飲んでいたタピオカミルクティーのタピオカは一体何だったのか。

 

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