吉田篤弘『台所のラジオ』紙カツ、棒パン、海苔巻き…

帰省をしなかったので、年末年始は家で好きなことをして過ごした。夫はゲーム(買ったばかりのXbox)、私は読書(たまにネトフリとアマプラで映画)。

 

吉田篤弘の『台所のラジオ』(ハルキ文庫)は、12編の短編が収録された短編集。休みの日に一編ずつ読んでいたのをようやく読み終えた。

最初は「紙カツと黒ソース」。紙カツって、なんだかあまり美味しくなさそうだなと思いながら読んだのだけど、これが美味しそうでトンカツが食べたくてたまらなくなった。自分で作るのは面倒で諦めたけど。

12編ある短編の中で、「さくらと海苔巻き」が特によかった。ミステリーのようで、切なくて、海苔巻きがなんとも美味しそうで。

 

まぐろの赤身を短冊に切るところ、輝くように艶のあるかんぴょうを鍋から取り出すところ、そして、ぱりぱり音をたてていた海苔を、一瞬でしんなりと巻いてみせる熟練の手技——。
食べる前から美味しかった。

 

海苔巻きはそこまで好きではないのに無性に食べたくなった。

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買った本

12月に買った本。

佐藤正午『小説家の四季 2007-2015』(岩波現代文庫)。11月に買った『小説家の四季 1988-2002』は、既読のエッセイが収録されたものなので読まずに本棚に並べたけれど、こちらの『小説家の四季 2007-2015』は未読のエッセイが収録されているので、今、読んでいるところ。

 

イノハラカズエ『松江日乗 古本屋差し入れ日記』(ハーベスト出版)は、ツイッターで見かけて気になっていた本。松江にある古本屋・冬營舎の店主の日記。単行本は滅多に買わないのだけど、どうしても読んでみたくて購入。年末年始にじっくり読むつもりが年末までに読み終えてしまった。

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