母の誕生日にHERZのバッグをプレゼントした。母はいつもプレゼントをもったいながってすぐに使おうとしないので、革は使った方が柔らかくなって、色も深くなって味が出るからガシガシ使ってねと私は言った。なかなか帰省できずにいるけど、今度帰った時にバッグがいい感じになっていたら嬉しい。
益田ミリ『お母さんという女』(知恵の森文庫)を読んだ。
益田さんの『世界は終わらない』が好きでよく読み返すのだけど、ドラマからハマった『僕の姉ちゃん』シリーズも文庫をまとめ買いしたら、これがまた良かった。
それで、気になっていた『お母さんという女』を買うことにした。『世界は終わらない』と『僕の姉ちゃん』はマンガだけど、『お母さんという女』はエッセイ&マンガ。
文庫書下ろしで、益田さんが35歳の時に書いたものなのだけど、東京から実家のある大阪に年に6〜7回は帰る理由を次のように説明している。
親が喜ぶからである。父も嬉しそうだが、表現が素直な母はいつも大はしゃぎである。わたしの顔を見るくらいでこんなに喜んでくれる人間がいるうちは、やっぱ期待にこたえねばならんのではないか?そう思うと、わたしは年に何回も実家に顔を出すのである。
「母と写真」
私の母もやはり私が実家に帰ると喜んでくれるし、嬉しそうだ。それが当たり前のように思っていたけれど、もしかしたらとても幸せなことなのかもしれない。
エッセイの合間にある「お母さんの毎日」というマンガも良い。
例えば益田さんとお母さんが二人でスーパーに買い物に行った時のエピソード。「甘いもん買うてあげるで」というお母さんに心の中で「あんたの娘35才」とつっこむ益田さん。そんな益田さんに「たけのこのお菓子好きやろ?」と言うお母さん。「……」となる益田さんのイラストの横には「『たけのこの里』が好きだったのは高校生の頃です」と書いてある。このワンシーン、わかるなあ。お母さんあるあるなのだろうか。
ほとんどが面白かったり微笑ましかったりするエピソードなのだけど、「母と介護」、「母の愛情」にはほろっとした。
まえがきにこうある。
愛を込めて、お母さんにまつわるエッセイとマンガを書きました。読み終えた後、あたたかい気持ちになっていただければいいなと思います。
読んでいる時も読み終えた後もあたたかい気持ちになりました。そして、お母さんに会いたくなりました。
益田さんはマンガだけでなくエッセイもいいなあ。