相変わらず暇さえあればアマプラで映画や海外ドラマを観ている。映画は、ずっと気になっていた『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』と『ゴジラ-1.0』を観た。ドラマは、どちらもイギリスの刑事ドラマで『刑事シンクレア シャーウッドの事件』と『警部補アーノルド チェルシー捜査ファイル』。警部補アーノルドの方はシーズン2もあるみたいだけれど、アマプラではまだ配信されていない。
再燃した読書熱もまだ冷めておらず、ずんずん読んでいる。
お風呂でちびちびと読み進めていた庄野潤三『エイヴォン記』(P+D BOOKS)Kindle版をようやく読み終えた。これは、庄野潤三がデイモン・ラニアン『ブッチの子守唄』、ツルゲーネフ『ページンの野』といった短編を紹介するエッセイ。そして、短編紹介の合間に挟まれるのが著者の日常、主に孫娘フーちゃんのエピソード。
たとえば、チェーホフの『少年たち』という短編の紹介で「話の途中だが、ここで孫娘の文子のことを報告したい」といった感じで、本当に話の途中でフーちゃんのエピソードが入る。
この頃、フーちゃんは紙に鉛筆や色鉛筆でかくのが面白くなっている。秋のお彼岸の中日に妻がおはぎをこしらえて、長男と次男のところに届けた。ほかに焦げたご飯をおにぎりにしたのを三つ———フーちゃんはおにぎりが好きなので———それから葡萄。妻の話を聞くと、はじめ庭から入ると、硝子戸にフーちゃんのうれしそうな笑顔が見えたという。顔の半分から上だけが見える。母親のミサヲちゃんが戸を開けてくれた。
どれもとても魅力的な短編紹介なのだが、読むうちにフーちゃんのエピソードに関心をもっていかれてしまった。『エイヴォン記』は「フーちゃん三部作」の第一弾ということだ。
本棚の既読本から津村記久子『ワーカーズ・ダイジェスト』(集英社文庫)と荻原魚雷『書生の処世』(本の雑誌社)を読んだ。
『ワーカーズ・ダイジェスト』でいいなと思った箇所を引用しようと思ったのだけど、以前に全く同じ箇所を引用していたのでやめておく。
それにしても『ワーカーズ・ダイジェスト』を読むたびにスパカツを食べたくなる。
『書生の処世』は、最初から最後までじっくりというより気になるところを拾い読み。荻原さんの本は『古本暮らし』、『本と怠け者』も読んだが、私は『書生の処世』が気に入っている。